約束
第1章 遼
過去
「ねぇ、梨乃ちゃん?」
『んー?なぁに?』
「大きくなったら、僕と結婚して?」
『うんッ!』
あの時の約束は今でも覚えてる。
「じゃあ、ゆびきりげんまんしよ?」
『いいよー!』
「『ゆーびきりげんまん!!」』
絶対、約束は破らないって言ったのに。
「梨乃ちゃん?」
『なぁに?』
「絶対ずうっと一緒にいようね?」
『当たり前だよ〜!!』
言ったのは俺からなのに、
「約束のゆびきりげんまん!」
「『ゆびきりげんまん!』」
約束を破ったのも俺からだった。
ある日の朝
『遼くん!』