貴方に癒されて



私はそのまま彼に体を預けた。


たまにオフィスで二人きりになると、私はこうして彼に体を預けて目を瞑る。


さっきまで疲れきっていた体は、彼により癒されていく。


「俺さ、こうしてお前とオフィスに二人きりになれる時が一番好きなんだ。
誰にも邪魔される事なくお前を独り占めできるだろ?」


「な、何言ってるの!?」


私は恥ずかしくなり彼の膝から立ち上がった。


「俺の側から離れんなよ!せっかくこうして二人きりなんだし、いつもは忙しくてバタバタしてるんだしもう少し俺に体を預けろよ!」


彼は私の体を引き寄せて抱きしめた。


そんな風に言われるとやっぱり嬉しくて、私は彼の膝の上で、優しさにまた甘えて癒やされた。


だけどゆっくり出来る時間はなくて…


「そろそろ帰らなくちゃ…」


「そうだな…こんな時間だもんな。
だけどあんま無理すんなよ?体調崩してお前に会えないのは俺も寂しいからさ…」


「ありがと…じゃあまた明日ね?」


「ああ…」


私は帰る支度をしてオフィスを出る前に振り返り、もう一度彼を見つめた。


「また明日…」そう心のなかで言ってオフィスの明かりを消した。




【完】



✱イスの擬人化でした✱

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