笑顔の向こうに。
「これでよしっと。」
メイク道具をポーチにしまうと目の前の鏡に向かってニッコリと微笑んでみる。
「どう?バッチリでしょ。さてと、もうひと頑張りしますか。」
ポーチを手に取り扉を押し開ける。
ーーーー何かあったら俺の所に来いよ。俺はいつだってお前の事を待ってるから。だから……他のやつには見せんなよ。お前の泣き顔もそれと………その笑顔も。
私は振り返りもう一度、微笑むとゆっくり扉を閉め、またコールが鳴り止まぬ戦場へと向かった。
終
擬人化【化粧室の鏡】