やむにやまれず雨やどり
震えそうな声で言った。
「怖かったんです。たぶん、ちゃんとオンナやるのが……嫉妬にまみれたり、誰かと闘ったり、自分が悪いのに、ヒトのせいにしたり……」
落ち着いた目で、笹原さんは聞いている。
「笹原さんは『オトコのひと』って感じがして、自分がオンナだって意識しちゃって……それを怖く感じたんです。それに、笹原さんは強いっていう印象があったので、思うぞんぶん悪者にできたんです」
だんだんと声が落ち着いてきた。
ワタシは、そんなこと思ってたんだ。
「つまり笹原さんに甘えてました……」
笹原さんが、私の頬をつまんだ。
「話せてよかった」
そうかもしれない。
つままれた頬がゆるんだ。
突然、そのデッカイ手で頭をつかまれた。
「ちょちょちょっっ」
私の抗議を打ち消すかのように、頭をグラインドさせられた。
「ここが会社で、まだ昼休みっていうのがサイアクだ」
「ああ~……そ、そ、ああの、酔っちゃいます」
「イライラしてきた……」
「さ、笹原さんは何かないんですか!困ったクセとか……!」
そこまで言って気がついた。
不機嫌な声が聞こえた。
「声がデカイところだろ」
慌ててフォローした。
「こ、こ、声が大きい件は、野球部だから致し方ないですよね!」
「野球やってんの知ってんだ……?」
「中国では、大きな音を出して厄払いするという風習が……」
なんの話してたんだっけ??
「そっか、ちゃんと意識してくれてたんだ」
「神社で柏手を……い、意識!?」
「ずっと、俺だけ意識してたのかと思った」
笹原さんを見上げた。
オトコだ。
オトコのひとがいる。
当たり前のことだけど。
「俺のこと好きになれよ」
「もう好き……」
おいっコラッ!!
ま、真っ赤だ、ぜったい。
今、顔あかい……
グッと体が引き寄せられた。
「俺が困ってるのは……」
笹原さんが口を開いた。
「システムが来てるって聞くと、どこのフロアだろうが行かずにいられないこと」
耳元に息がふれる。
「清水さんをどっかに閉じこめて、芸能人だろうが何だろうが、考えられないようにさせる妄想ばっか浮かぶこと」
この人、こんな良い声してるんだ……
「捕まえて、自分から好きって言うまで責めまくりたい」
「怖かったんです。たぶん、ちゃんとオンナやるのが……嫉妬にまみれたり、誰かと闘ったり、自分が悪いのに、ヒトのせいにしたり……」
落ち着いた目で、笹原さんは聞いている。
「笹原さんは『オトコのひと』って感じがして、自分がオンナだって意識しちゃって……それを怖く感じたんです。それに、笹原さんは強いっていう印象があったので、思うぞんぶん悪者にできたんです」
だんだんと声が落ち着いてきた。
ワタシは、そんなこと思ってたんだ。
「つまり笹原さんに甘えてました……」
笹原さんが、私の頬をつまんだ。
「話せてよかった」
そうかもしれない。
つままれた頬がゆるんだ。
突然、そのデッカイ手で頭をつかまれた。
「ちょちょちょっっ」
私の抗議を打ち消すかのように、頭をグラインドさせられた。
「ここが会社で、まだ昼休みっていうのがサイアクだ」
「ああ~……そ、そ、ああの、酔っちゃいます」
「イライラしてきた……」
「さ、笹原さんは何かないんですか!困ったクセとか……!」
そこまで言って気がついた。
不機嫌な声が聞こえた。
「声がデカイところだろ」
慌ててフォローした。
「こ、こ、声が大きい件は、野球部だから致し方ないですよね!」
「野球やってんの知ってんだ……?」
「中国では、大きな音を出して厄払いするという風習が……」
なんの話してたんだっけ??
「そっか、ちゃんと意識してくれてたんだ」
「神社で柏手を……い、意識!?」
「ずっと、俺だけ意識してたのかと思った」
笹原さんを見上げた。
オトコだ。
オトコのひとがいる。
当たり前のことだけど。
「俺のこと好きになれよ」
「もう好き……」
おいっコラッ!!
ま、真っ赤だ、ぜったい。
今、顔あかい……
グッと体が引き寄せられた。
「俺が困ってるのは……」
笹原さんが口を開いた。
「システムが来てるって聞くと、どこのフロアだろうが行かずにいられないこと」
耳元に息がふれる。
「清水さんをどっかに閉じこめて、芸能人だろうが何だろうが、考えられないようにさせる妄想ばっか浮かぶこと」
この人、こんな良い声してるんだ……
「捕まえて、自分から好きって言うまで責めまくりたい」