やむにやまれず雨やどり
壁が覆い被さってきた……



でもイヤじゃない。

だって、暖かいから。



重なった唇に、背伸びして答えた。

体が持ち上がって、足が床から離れた。



「かわいい」

「んんっ……!」



力を抑えていてくれてたんだと、そこで思い知った。

吐息も許してもらえない。

キスが襲ってくる。



気が……遠くなりそう……




ようやく唇が離れた。

それでも笹原さんは離してくれない。



「あの『やるっきゃない』にヤラレタ」


息づかいが、髪をなでた。


「俺とヤハタくん、どっちが好…」
「ヤハタくん」



笹原さんが、うなり声を上げた。

「……もっかいしとく」

「も、もう、あの」

「要討議事項だな」

「そ、それよりも、時間が」

「あんなオトコだらけのとこに帰したくねぇ!気が狂う!」





要討議?


オタクに好きなものを語らせようなんて、

そんなの終わるはずがない。



【完】
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