違反のキスでよければどうぞ【完】
校則違反常習犯
「先生って、……女の人にすごくモテそうです」
「それはどうも」
涌井先生は世界で一番かっこいい。と、私は思う。
切れ長の目はどうしようもなくセクシーで、薄い唇が弧を描く瞬間はたまらなくゾクゾクする。
一見冷たいようで、本当は違う。
窓の外の月明かりが、電気の消された教室の床に背の高い先生の長い影を作った。
期末テストの数学でまんまと赤点を取ってしまった私は補習終わり、教科担任である先生の涼しい目元をじっと見詰めて唇を尖らす。
その表情は、早く帰れと顰められていたからだ。
……私、全然相手にしてもらえてない。
帰る準備をわざとゆっくりにしながら、さりげなさを装った重要な質問をぶつける。
「先生って、彼女いますか?」
聞いてしまった。
ドキドキしてる私には構わず、先生は淡々と口を開く。
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