違反のキスでよければどうぞ【完】
「いや、……今そんなことどうでもいいですよね! ……つけてますけども!」
だけど自分の唇を親指で拭った先生の仕草がいちいちエロくて、体温はまた急上昇してく。
目、合わせる余裕は、やっぱりない……!
「……だから」
「……?」
「罰は受けてよ」
目を逸らそうとした瞬間、そう言って先生は薄く笑うと自分の上唇をぺろりと舐め、再び私に顔を近付ける。
ぎゅっと目を閉じながら、どうしようもなく顔が火照っていくのを感じて、先生にはやっぱり敵わないなと思った。
「そ、それ言うなら教え子に手出すなんて、先生はほ、法律違反ですね?」
「散々煽っといてそれ言っちゃうんだ。これ以上は柴崎さんが卒業するまでなんもしないよ。……てわけで、もっかい。……だめ?」
「え、ちょ、……っ、だめっていうか、」
――校則違反の唇でもいいならぜひ……っ!―― fin.