私に触れるあなたの温かい手
「ほら~俊の大好きな子が泣いてるんだよ?」


「……そんなの知らね」

ポンポンと頭を撫でてくれるその手はやっぱり温かかった

「いくらさー俺へのヤキモチでもちはるちゃんに当たるのは良くないよ~?」

「はぁ?」

「…ぇ……」

…ヤキモチ……?

「咲月くん…何言ってッ」

「…お前何言ってんの?」

俊は私の事嫌いになったんだよ…?
なのになんでヤキモチなんて…

「…俺がちはるちゃんと仲良いから勘違いしたんでしょ?」

「…ふっ、ほんっと何言ってんのお前。
ばっかじゃねーの?そんなんで別れる俺とかすっげー子どもじゃん。」

「…子どもじゃん




お前、子ども」

「なっ…ッ!」

「でもお前本当にちはるちゃんの事いいなら俺がもらっていくけど」

「…え……」

「…文句ねーよな?」

「……ッ」

そーいって体を半回転させられ
抱きしめられた

俊の顔も咲月くんの顔も見えない。

「…どーなんだよ俊」

「…ッ……勝手にしろよ」

「…後悔すんなよ

ちはるちゃん行こ」

そーいって手を引かれた
俊の顔も見ずにその場を立ち去る
< 13 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop