幼馴染みの期限
「私さ、好きな人がいるんだよね」
美桜に突然そんな告白をされたのは、梨華さんに呼び出された翌日の事だった。
テスト勉強なんてだるいよね、なんて言いながらいつものようにバーガーショップに寄った。
晩ごはんが待ってるのにセットなんか頼んじゃって、もーお腹いっぱいだから絶対勉強なんかできないよねー、なんて笑い合って。
そんな感じでいつも通りの放課後を過ごしていたから、美桜の突然の告白の意味が最初は分からなかった。
「……え、えっ?……好き……?何が?」
「だから、私に好きな人ができたの」
ちょっとはにかみながら照れ臭そうに話す美桜の様子に、その突然の告白が嘘や冗談では無い事をようやく理解した。
「えーーーー!」
夕方の混雑していた店内にも、私の驚きの声はしっかりと響き渡った。
「ちょっと!声でかいってば!」
「だっ、だって……美桜ったら今まで全然そーいうの興味無さそうだったから、びっくりして……」
むしろ彼女を取っ替え引っ替えしてる広海を見て「何が楽しいんだろ……あたし、人を好きになる気持ちがわかんない」なんて言ってたのに。
そんな美桜だから、親友とは言え私の密かな恋心を相談していいものかずっと迷っていた。