幼馴染みの期限

でも、ほんの数ヵ月だったけど、胸の中で温めてきた大切な恋心を美桜にだけには話したいって、聞いて欲しいってずっと思ってた。


これからは美桜とお互いの好きな人の話をしたり、相談したり、悩み事や……もしかしたら付き合えたりした時の嬉しい話なんかもできるんだ。



これからの楽しい未来まで想像してニヤニヤ笑いが止まらなくなるほど喜んでいる私とは反対に、美桜は何故か浮かない表情をしていた。


「……聞いてくれる?」


その弱々しい言葉に力強く頷く。


ショートカットで背が高くてボーイッシュな美桜は、いつもは凛としていて頼りがいがあってカッコいい。

だけど、恋をしているその姿は守ってあげたくなるくらい可愛らしかった。


長い付き合いだけど、そんな可愛い美桜を見たのは初めてで、全力で力になりたいって。そう思った。


「いーよ!何でも話して!」



まさか美桜の好きな人が……


「樹理、私ね……向井くんのことが好きなんだ」


私と同じ人だなんて思いもしなかったから。


「……応援してくれるよね?」
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