幼馴染みの期限

「個人的な付き合いまで口を出すつもりは無い。……だがな、放課後の教室でお前達が何やらいかがわしい事をしていた、という書き込みまであって、その噂はかなり広がっているようだ」


「何が本当の事かは分からないけどな……噂が広まっていて、人物が特定されている以上こちらとしては見逃せない。被害者だろうが、加害者だろうが、書かれる事自体が問題だからな」


「それに、お前達は特進クラスだろう?一時の感情で将来を台無しにする気か?」


……どうしてだろう。


先生の言っている言葉は耳には届いているのに、意味のある言葉として一つも頭の中に入って来ない。


何で?


どうして?


そんな言葉ばかりが頭の中をこだましている。


「……それは僕達じゃありません。噂になるような事は一切していません」


混乱している私に代わって向井くんが否定をしてくれたけど、その声は動揺を隠せず少し震えていた。



「だとしてもな……ここまで噂になってると、否定したって面白おかしく広がるだけだぞ」
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