幼馴染みの期限

この三日間、どうしてこんな事になったんだろうとずっとショックだった。


眠れずご飯もまともに食べてなかったから、それ以外の事なんて考えられなかったし、頭が回らなかった。


「樹里。足止まってるぞ」


ぐっと握った手に少しだけ力が入り、歩くように促される。


「ねぇ、広海……ほんとに梨華さんとは付き合ってない?」


「ない」


もう終わり、という感じで話を切られてしまった。


そのまま手を引かれながら、駅前商店街を抜けコンビニを通りすぎ、住宅地へと続く緩やかな坂道を上る。


いつもと変わらない景色。


「明日は……部活に出たいなぁ」


早くいつもの生活に戻りたい。文芸部のみんなならきっと私に冷たく当たる事はないはず……って信じたい。


ーーきっと、美桜だって。


だけど、広海は私の呟きに眉を寄せた。


「……しばらくは無理だろ。体力も無いし、しんどそうだし。休んどけ」


「運動部じゃないから大丈夫だよ。広海のほうこそ部活大丈夫?朝練……は今は無いか。期末テストも終わったし、トレーニングがあるよね?」


「俺の事は気にするな」


「気にするなって言われても気になるよ。私、ちゃんと休むから広海は部活出て。ね、お願い」

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