幼馴染みの期限

そのまま、うとうとと眠りに落ちかけて……


ふと、あることを思い出してパチッと目が覚めた。


前に梨華さん達に呼び出された後で、美桜から言われた言葉。


『もー、樹里は人が良すぎ!広海のせいでこんな事になってるんだから、文句言ったっていいんだよ!!いや、文句じゃ足りないね!殴れ、殴れ!!』


あの時は、美桜が私の事待っててくれたことが嬉しくて、特に心に引っかかる事は無かった。


だけど……おかしいよ。



これは私が勝手に思ってるだけで……でも、間違ってないと思うんだけど、真実ちゃんは向井くんの事が好きなんだと思う。


私が先生から頼まれたクラスの用事を向井くんが手伝ってくれる事はよくあって、それを真実ちゃんと真実ちゃんと仲良しの美咲ちゃんが良く思っていないことは前から何となく分かってた。


でも向井くんと私は付き合ってる訳じゃないのに、どうしてしつこく絡まれるんだろうって不思議に思ってた。


そう。何がきっかけかは分からないけど、呼び出された原因は知ってたんだ。


ずっと止めてって言い出すタイミングが掴めなかったんだけど、梨華さんと二人が繋がってるって知って、何故か梨華さんに責められている私を二人が満足そうに見ているのを見て……


あぁ、これが目的だったんだ。テスト期間も終わったし、明日から部活も始まる。

委員会の仕事も殆ど終わったし、放課後に向井くんと二人きりになるチャンスも無くなるから、これで真実ちゃん達に絡まれる事もあまり無くなる。


そう思ったんだった。

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