幼馴染みの期限

トゥルルル……トゥルルル……



「もしもし……美桜?」


「どうしたの、樹里。電話なんて珍しいね」


「美桜、あのね……」
「樹里、何してるの?今家?部活出るかと思って待ってたのに」



「……広海から何も聞いてない?」

「広海?ううん。何も。それよりさー、何で三日も休んでたの?風邪引いた?心配したんだから。みんなも心配してるよ」


美桜の明るい声が電話口から聞こえる。


私の声が沈んでいるのを……美桜だったら分からないはずがないのに。


あんなに噂が広がってるのに、美桜が知らないなんて……そんなはずが無い。


今までの美桜なら必ずクラスに来てくれたと思うし、その前に電話もメールもくれないなんて……どう考えてもおかしいよ。


「ねぇ、美桜……どうして朝の待ち合わせに来ないの?どうして……メールも電話もしてくれなかったの?」




「……私と向井くんの噂を聞いたから?」



美桜は向井くんの事が好きだから、私に怒ってるんだよね。


それしか考えられない。

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