幼馴染みの期限
ーー待って。
ーー待って。
ーーーー待って、待って、待って。
……私はまだ何も話してない。
……私の気持ちに言い訳はしない。間違ってない。
だけど、美桜の気持ちを知らなかった事だけは謝りたい。
終わりなんかじゃない。
終わらせない。
「……行かなきゃ」
震える足に力を入れて立ち上がった。
ーー美桜と話さなきゃ。
頭の中はそれだけで、私は制服のまま何も持たずに転がるように階段を掛け降りた。
母が何かを叫ぶ声が後ろから聞こえた時には、もう家を飛び出して美桜の家へと向かって駆け出していた。
***
ピンポーンと、のんびり響くチャイムの音がもどかしい。
いつもなら、『はーい』なんてチャイムと同じようにのんびりとした声が聞こえてお母さんがドアを開けてくれるはずなのに、何度押しても返事は聞こえなかった。