幼馴染みの期限
「……っ、はあっ……はぁ」
息が苦しい。
まだ体力が戻らないままの身体は、5分も走っていないのにあちこち悲鳴を上げていた。
「……みお……いないの?」
整えられない息苦しさの中で、途切れ途切れにそれだけを口にした。
何度チャイムを鳴らしても何の反応も無い。
「……はぁ。………はぁっ」
真冬なのに汗を流して息を切らしている私の顔は、真っ赤になってしまっているはずだ。
もしかしたら、美桜はまだ学校にいるのかもしれない。
ぺこりと家に向かって頭だけを下げて、そのまま学校へ向かってまた走り出した。
途中足が縺れて何度も転びそうになったけど、その度に歯をくいしばって足を叩いて走り出した。
ーー美桜に会わなきゃ。
それだけを思って、私は走り続けた。