幼馴染みの期限
〈2日前〉再会

***


「……広海」

「どうした?」


「無理。会えない」


「何でだよ」


「無理だよ。美桜は私の事を許してくれない……そうでしょう?」



……10年前。


鈍感な私は、ずっと美桜の気持ちに気がつかずに傷つけてしまっていた。


だから美桜も私の初恋を傷つけて、お互いにボロボロになった。


だからといって、それで美桜の気が済んだとも、許してもらえるとも思っていない。



美桜が好きだった広海は、今も私の側にいる。




広海は私に約束した通りに、本当に幼なじみをやり直す為だけに私の側にいてくれた。


仕事も、職場まで私に合わせてくれて……。


本当にやりたい事だって、別にあったはずなのに。


それを分かっていて、私は何も聞かなかった。


私達を知っている人や、親しい友達には『幼なじみで腐れ縁』なんだって。


そんな言葉を使って言い訳ばかりして。
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