幼馴染みの期限
「だーかーらー、昨日今日の思い付きで美桜に会おうとして、ここまで連れて来た訳じゃないって事だよ」
私の混乱を取り除くように、広海はゆっくりと言い聞かせるように話をした。
広海の両手に包み込まれたままの私の右手に、ぐっと力がかかる。
「お前が、何を気にして美桜に会えないって言ってるのか俺は知ってる。それに、俺に対して後ろめたい気持ちを持ってるのだって……全部分かってる」
「言っただろ。幼なじみとして、お前に最後にしてやりたい事がお前と美桜を会わせる事だって。俺は、ただお前達を無理やり会わせて傷口を広げたい訳じゃない」
「昔約束したよな。俺はお前を裏切らないし、傷つけないって」
「……俺の事、信じてくれるよな?」
広海が何を言いたいのかようやく理解した私は、黙ってコクリとうなずいた。