幼馴染みの期限

信じてくれって言うんだったら答えは簡単だ。


広海の言うことなら信じられる。


この気持ちだけは、絶対に変わらない。



幼なじみの期限を迎えた今日の日が終わって、広海が私の側から離れて行っても。


広海に大切な女(ひと)がいても。


私は、広海の事だけは一生信じ続ける。



***

うなずいた私を見て、広海は満足したように微笑むと、握りしめていた手を離して再び車を走らせた。



……ぬくもりの消えた右手が少しだけ寂しい。


だけど、段々とこの寂しさにも慣れなくちゃいけないんだ。


私がこうして広海の隣にいられるのも、今日までだから。



そっと広海を見ると、目線は前に向けたままで、フッと優しく微笑んだ。


その笑顔が


その横顔が


とても綺麗だと思った。


ずっとこうして眺めていたい。


今日という日が、終わらなければいいのに。


なぜか、そんな事を考えてしまっていた。