幼馴染みの期限

『……俺の気持ちは知ってるだろ?』

『帰ったら、ちゃんと伝えるから』


「だってー!キャー!!」


……この人達、ずっと外で恋人同士でイチャイチャしてる所見てたの?



……はぁー、元気だなぁ。


専門学校を出て就職した私と、大学生に見える彼女達の年はそんなに変わらないんだろうけど。


美桜との別れがあってから、友達とはしゃいでいても頭のどこかでは冷めていて、心の底から楽しいと思えない自分がいる。


美桜との事だけじゃない。大勢でいると梨華さん達に囲まれた時の事を思い出したり、真実ちゃんや美咲ちゃんに呼び出しをされた時の事が頭をちらついて……結局集団の中には溶け込めず、浅く広くの付き合いを繰り返して来た。


高校の時に出会った才加とは気が合うし、気を遣わなくて良い関係が心地よくて長く付き合ってはいるけれど、まだ美桜との事は話せていない。



キャッキャッとはしゃぐ女の子達を見ながらぼんやりしていると、いつの間に戻って来たのか、広海が目の前に立っていた。


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