幼馴染みの期限

***


「……美桜は……ずっと仙台に住んでたんだね」

「ああ。実家は市内じゃないみたいだけどな」


「広海は……ううん、何でもない」




『どうして美桜の実家の事まで知ってるの?』

『いつから連絡を取り合ってるの?』

『もしかして……ずっと繋がっていたの?』


『……私には何も言わないで?』



次々と疑問が浮かんできたけど、口には出せなかった。


一つでも口に出してしまったら、それをきっかけにしてどんどん溢れてくる言葉を止められずに、感情的に広海を責めてしまいそうな気がした。



それに、どんな答えが返ってきても、広海と美桜が今現在繋がっているっていう事実は変わらない。


私は単純に私と広海が幼なじみじゃなくなるのに、広海と美桜が昔みたいに仲良くしているのが悔しいだけなのかもしれない。


……そんな自分勝手で、我が儘な自分が嫌になる。

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