幼馴染みの期限
たぶん……170センチを越えるほどの長身。


グレーのパーカーと黒のスキニーパンツに、同じく黒のMA-1をさらりと合わせている。


楓さんよりもかなり華奢な体型で、スタイリッシュだけれど、ゴツゴツとしたブーツを履いている所だけは共通している。



さらさらと揺れる、ブロンドに近い色のショートヘア。


くっきりとした二重瞼と、薄茶色の瞳。



そこに立っていたのは、一目で楓さんと血が繋がっていると分かる……




ーー 女性だった。





「……あら、お客様がいたのね」



さっき楓さんが見せてくれたのと同じように、太陽のような明るい笑顔で『すみません』と謝る梓さん。




「いっ……いえ」



ぎこちない笑顔を返すだけで精一杯だった。




この人が……楓さんのきょうだいの……梓さん?




美桜の心を救って……


美桜の側にずっといて……


美桜と惹かれ合って……いる?



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