幼馴染みの期限

広海は私の彼氏じゃない。



……だけど、


『私は、広海とは付き合っていません』



そう言っても、たぶん梓さんは納得しないだろう。


だって、さっきまで私は広海と一緒にいると美桜が傷つくかもしれないって、そう思いながらも広海の側を離れる事ができなかったんだから。




……梓さんの言う通りだ。



私は、梓さんに真っ直ぐに視線を合わせた。



拙くても……伝わらなかったとしても、真っ直ぐに正直な気持ちを言わなければ、美桜に会うことは出来ないから。




「……梓さん。あなたが、私と美桜の事をどこまで聞いているのかは分からないですけど…………私は、今まで誰とも付き合った事はありません」




胸の鼓動が速くなり、呼吸もそれに合わせるように浅く速くなっていく。



息苦しさに喉が締め付けられるのを感じながらも、一言一言絞り出すように言葉を繋いだ。