幼馴染みの期限
「……変わったでしょう?私」


「…………うん。変わったね」



「……樹里は全然変わってないね」



年相応に、24歳の女性らしく成長した美桜に対して、私は中二のあの時から時が止まってしまったかのように、身長も、体重も、全ての成長がピタリと止まってしまっていた。


それでも、髪型を変えたりメイクをしたりすれば雰囲気だけは変えられただろう。


それをせずに、中学校の時と全く同じ黒髪のショートボブの髪型で、ほとんどメイクもしていなかったのは……


こんな風に美桜と再会した時、あの時の事を全て忘れてしまったように、すっかり変わって大人びてしまった自分にはなりたくないんだって、少なからずそんな思いが自分の心の中にあったからだと思う。


< 200 / 345 >

この作品をシェア

pagetop