幼馴染みの期限
「……そうやって、全部壊して、捨てて、私は仙台に来た」
「…………変わりたかった」
「樹里が……広海が側にいないと生きていけなかった弱い自分から」
「もう樹里にも広海にも二度と会わない。それでも構わない。私はもう弱い自分じゃないんだって、私はあなた達がいなくても一人でも大丈夫なんだって、そう胸を張って生きていくつもりだった……」
ぽつり、ぽつりと少しずつ美桜が言葉を紡いでいく。
もし目の前で話をしているのが美桜じゃなかったら、
赤の他人の話をこんな風に聞いていたのだとしたら……
私は『なんて身勝手な話なんだろう』と、そう感じていたのかもしれない。