幼馴染みの期限

「……違う」



広海の問いかけに、美桜は静かに首を振った。



「見つけて欲しいなんて思ってなかった」



硬い表情で否定した美桜に、広海は分かりやすく憮然とした表情になる。



「……分かんねーな。じゃあ、会いたいっていう気持ちじゃ無かったらどうして『ナナイロ』のコンテストに出したんだよ。『ナナツキ シイ』の名前といい、お前は過去を否定してるくせに、俺たちに繋がりを持とうとしているようにしかーー」

「何でもかんでも『分かんねー』って言わないで!広海はね、分かんないんじゃなくて、樹里以外の人の気持ちを知ろうとしないだけよ!」



被せるように広海の言葉を否定した美桜は、唇を噛み締めた。



その目には、うっすらと涙が浮かぶ。



「…………だって、樹理と広海は、三人で約束した夢なんてもう忘れちゃったんでしょう?」




「二人は今、同じ職場で介護の仕事をしてるんだよね?私が離れてからも、あなた達は、ずっと一緒にいたんでしょう?」



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