幼馴染みの期限
誘われるまま行くうちに……


いつしか、将来もこんな感じで楽しく働けたらいいな、と思うようになっていた。



小さな頃からの思い出や、突然終わった初恋を思い出して苦しむ夢にいつまでもすがり続けるよりも、新しい夢に向かって突き進んだほうが、自分らしく前向きに生きていける気がした。



「……"私が"三人の夢を諦めたの。……諦めて、新しい夢に広海を巻き込んだの」


「広海なら一緒にいてくれると思ったから」



だって、広海は『離れない』って約束してくれたから。



「広海だけが……私が夢を諦めた理由を、言わなくても分かってくれると思ったから」



思った通り、広海は私から進路を聞き出すと、同じ専門学校へと進路を変えた。


まるで、そうするのが当然かのように。


私が介護の仕事をしたいなんて思わなかったら、広海は今も美桜と同じ夢の中にいたはずだ。



「私が美桜と広海を遠ざけたの。真中さんや、皆のせいじゃない」



今までの楽しかったことを全部言いたかったのと同じように、三人の夢を諦めてしまった事だって、真っ先に美桜に伝えなければいけなかったんだ。



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