幼馴染みの期限

「……やっぱり、知らなかったんだ」



美桜が呟くように言ったのと、



「……美桜は、もう気持ちを伝えてたの?広海がOKIに入らないって、中2のあの時には……知ってたの?」



私が呟いた声が重なる。




その声は美桜の耳にも届いているはずなのに、まるで聞こえなかったかのように、彼女は涙を浮かべたままの目で、真っ直ぐに広海だけを見つめていた。



「さっきは、樹里以外の人の気持ちを分かろうとしないなんて言って……ごめん」



「広海にも色々と酷い事をした……でも、樹里には言って無いんでしょう?」



「……それって、こうして私と樹里が会った時にーー」



「美桜」



広海は美桜の言葉を止めると、『これ以上は言わなくていい』と言うように、ゆっくりと首を横に振った。




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