幼馴染みの期限

「幼馴染み……だったんです。昨日までは……」


「でも、幼馴染みを止めちゃったんです。離れちゃったんです」


「……今まで……ずっと一緒にいたのも偶然だって。腐れ縁なんだって。……自分に都合のいいように言い訳ばっかりして」


「私、ずっと……ずっと、ずるくて……広海の優しさに甘えてばっかりだったから…………バチが当たっちゃったのかな…………」



『幼馴染みを止めた』とか、広海と私の間にあった幼馴染みの期限だとか……樺山さんには訳の分からない話なのにって思いながらも、一度口に出した言葉は止められなかった。



次から次へと、後悔の言葉ばかりが溢れて来る。



目の前にいる樺山さんの顔が、ぼやけて、歪んで見えなくなっていく。



後悔の感情を口に出した途端に、心の奥から悲しみが溢れた。


やがて悲しみは涙となって次々と瞳から溢れ落ちていった。


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