幼馴染みの期限
私の誕生日でもあったバレンタインデーの日、残業していた私を尻目に、ふわんふわんの羽を背中に生やしたように浮かれながら帰って行った宏美さん。


デートかな……と予想した通りに、街コンの時にいた市役所に勤めているお兄さんの後輩の人と初めてデートをしたんだそうだ。


……で、その日のうちにモチャモチャ……な関係になってしまったらしい。


思い返してみたら、確かにバレンタインデーの次の日、私は広海の家でそのまま眠ってしまっていたから、髪の毛はぐちゃぐちゃ、顔は(そんなに化粧してないんだけど)ボロボロの酷い状態だったけど、宏美さんも前の日と同じ格好で遅刻寸前で慌てながら来てたっけなぁ……



まぁ制服はあるから最悪同じ服でも何とかなるんだけど、私と宏美さんは二人とも髪やメークがボロッボロで、広海は何度も欠伸をしていて、おまけにいつもは完璧に仕事をこなしていく才加まで珍しくミスを連発して、私達はまとめて樺山さんにお説教をくらってしまったんだった。


そんな宏美さんも私や才加と同じくバレンタインデーに彼氏ができたって喜んでたけど、最近はあまり彼氏の話をしようとしても、なんだか顔を曇らせて話を逸らされてしまう事が増えていた。

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