幼馴染みの期限
「じゅりっちー!」
居酒屋を出た所で、追いかけてきた宏美さんにつかまった。
「置いて行かないでよ。具合の悪いじゅりっちを一人で帰すのも不安だし。途中まで一緒に帰ろ?ね」
そう優しく声をかけられて、今まで我慢していた涙がポタポタと頬を伝って落ちた。
私……どうして泣いてるんだろ?
戸惑いながら、それでも涙が止まらない私を宏美さんはずっとよしよしと頭を撫でて慰めてくれた。
しばらくして宏美さんは力強く頷きながら、私にこんなことを言った。
「じゅりっち、街コンは今週の土曜日だからね。絶対行こ?ねっ。じゅりっちにはね、もっといろんな出会いが必要だと思うんだ」
宏美さんのかけてくれた慰めの言葉の内容は、朝に源さんから言われた事と全く一緒だった。
私は友達は少ないほうじゃない。
でも、源さんも宏美さんも私にいろんな出会いを求めてみなさいって話をしてくれた。
だから単に友達を増やせって事ではないんだろう。それだけは何となくわかった。
後は……よく分からないけど今の私には何か足りないものがあるのかもしれない。
それが分かったら、こうして一人で考えこんでもやもやとすることも無くなるのかな……
このもやもやの原因もはっきりと分かるようになるのかな。