幼馴染みの期限
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「今年初の失恋飲み会、開催ー。さぁ、今年は何回『これ』に付き合わされることになるのかな……」
「全くだ。……まだ1月じゃねぇか。お前は何回失恋したら気が済むんだ?どうせ今回も勝手に協力して、勝手に後悔して、勝手に沈んだんだろ」
……うっ。
「あぁ……また沈めちゃったのねぇ。ところで、今までの気持ちはまた浮き上がってくることはないの?」
……。
「死体みたいだな。それはな、今のところ100%なしだ。樹里がきっかけ作って付き合って、まだ別れたヤツはいないんだよ」
「へー、それは凄い。何だかお見合いの達人みたい」
「もはや神だな」
「でも、本人に何も返って来ないっていうのが悲しいよね」
……ううっ。
「あれじゃねぇ?100人幸せにしたらでっかい幸せが待ってるとか、周りの人を全員幸せにしないといけないとか、そんな感じじゃねぇの?」
「何か昔ばなしっぽくない?……そうそう、高校の時なんて樹里と仲良くなると春が来て彼氏が出来るって言われてたよ」
「昔ばなしって言うより、都市伝説並みの扱いだな」
「だいたいさー、いちばん仲の良い私達に春が来てないっておかしいよね。他の人にせっせと春を運んでる場合じゃないと思うんだけど」
「全くだ。樹里。いや、樹里様、樹里神様。俺に春を運んでくれよ」
……うるさい。
おまけに今は真冬だ。春が来てたまるか。
「広海も、才加も勝手にいろんな事、言い過ぎっ!」