幼馴染みの期限

『じゃ、デートしよ。迎えに行くのは渡瀬、恥ずかしいでしょ?駅前アーケードの入り口にあるコンビニで昼に待ち合わせでいいかな?』


一瞬固まりかけたけど、見られたらマズイ!と慌ててスマホを奪い取った。



「ふーん……ケイは、なかなか積極的なヤツだな」


「み……見ちゃった?」


「見たっていいだろ。大体さ、お前が俺に何にも教えないのが悪い」


「ごっ、ごめん」


とっさに謝ってから、『ん?』と思い直す。


この男はただの幼馴染みだ。


LINEを見せる必要はないし、何も教えなかったからって怒られる関係でもない。


どう考えても今の流れで謝るのはおかしい!



「今回はライバルになりそうなヤツはいないんだな」


「えっ?」


「……もうちょっとだったのにな」


謝らされたのにも納得がいかなかったけど、どうして突然ライバルなんて言ってるんだろう?


「広海どうしたの?全然言ってること意味分かんないんだけど」

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