幼馴染みの期限

「『勝手な事』って何だよ、樹里。俺達は慰めてやってるんだぞ」

「そうよ樹里。感謝しなさい」


「感謝は……してるけど」

急に声をかけたってこうして来てくれる二人にはほんとに感謝してるんだ。


でもね、こうして色々と言われるとさすがの私も凹んでしまうんですけど。



私の名前は渡瀬 樹里(わたせ じゅり)
職業は介護士。失恋したての23歳。

失恋した回数は自慢じゃないけど星の数ほど。恋に恋するお年頃だ。


……その恋が結ばれた経験は、未だにない。


年令=彼氏ナシ、はそろそろまずいとは思い始めている。


私の容姿は可もなく不可もなく。身内が贔屓(ひいき)目で見積もったって、平均点を上回ることはないと思う。身長は152センチとこれまた平均割れ。体重は……秘密。


ギリギリ太ってはいない(と思う)けど、とりわけスタイルがいい訳でもない。バストは高校で成長止まりました!の堂々Bカップだ。


つまり、私には何のアピールポイントも無いのだ。
おまけに実家暮らしだから料理もできない。
家事全般不得意。女子力皆無。


こんな私に『相思相愛』という奇跡は起こるんでしょうか?
< 7 / 345 >

この作品をシェア

pagetop