幼馴染みの期限
〈3日前〉10年前の約束

「ねぇ、じゅりっち」


「ぁぃ。……ぐすっ。ひっ」


「何があったのか知らないけど……」


「ぅっ……うえっ。ひっ……くっ」



「どーしてじゅりっちはこんな所で人目もはばからずに泣いちゃってるワケ?!」


確かにこうやって泣くだけなら、いつもの居酒屋のほうがなんぼかマシだった。


でも……


「ぃざがやには、いぎだくながっだんですぅ……」


さっきの気持ちを、動揺を、どう表現していいのか未だに分からない。


だけどいつも三人で笑い合っていたあの空間に、二人が出てきたばかりの店の中に、一人きりで足を踏み入れることがどうしてもできなかった。



ついでに一人でいるのも辛くなった。



土曜日の夜なのに、急な呼び出しに応じてくれる優しい人。



優しくて……



えーと……独身で……暇そうで……彼氏もいない人。


そう思ったら、宏美さんしか思い浮かばなかった。(ごめんなさいごめんなさい。)


トウルルルー
トウルルルー


ガチャ。


あ、2コールで繋がった(やっぱり暇だった?)。



『はい。じゅりっち、どーした?』


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