幼馴染みの期限
呼び出されること数回。場所はいつも放送室。
放送委員の美咲ちゃんは、放送室の鍵を自由に使えるからだと思う。
たぶん、防音の部屋だからってのも理由の一つなんだろうな。
「委員長に相談したいことがあるんだよね」
最初は、そんな言葉から始まった。
頼ってくれて嬉しいなー、なんて思って笑顔で頷いた私はほんとバカだったと思う。
相談なんて一つも無かった。
ただネチネチと続く、クラスメートの悪口を聞かされただけ。
「……そうなんだ」
戸惑いながらそう言っただけで、次の日にはその悪口が私が言った事になっていた。
それが分かってからは頷く動作一つでも慎重になった。
そんな事に神経をすり減らして。
とにかく私は疲れきっていた。
***
どうせ今日も放送室で下らない話を聞くだけ……
ほんの一時間の我慢だから。そう自分に言い聞かせて二人の後に続いたけど、二人は放送室とは違う方へ歩いて行った。