陰なる閃刃
男は覚悟を決める。
「もはや、これまでっ」
自分の持つ短刀を己の首に当て、一息にかき切った。
鮮血がほとばしる。
男は前のめりに倒れ、そのまま絶命する。
赤子は守った。だが、男の雇い主はわからない。
「とりあえず、佐々本殿の部屋に行こう」
利巌たちはその部屋を出て、佐々本のいる部屋に向かうのだった。
話は、これで終わらない。
「しくじったか…」
赤子のいる部屋を出た利巌たちが、屋敷の縁側を歩く。
その姿を、屋敷から離れた家の屋根から、覗いている男がいた。
この男も忍装束を身にまとっている。
だが、武器は所持していない。
情報収集および伝達を専門とする間者である。
(主人に伝えねば)
そう思い、身体の向きを変えようとしたときだった。
「!?」
姿は見えないが、誰かが自分を見ているのを感じる。
「もはや、これまでっ」
自分の持つ短刀を己の首に当て、一息にかき切った。
鮮血がほとばしる。
男は前のめりに倒れ、そのまま絶命する。
赤子は守った。だが、男の雇い主はわからない。
「とりあえず、佐々本殿の部屋に行こう」
利巌たちはその部屋を出て、佐々本のいる部屋に向かうのだった。
話は、これで終わらない。
「しくじったか…」
赤子のいる部屋を出た利巌たちが、屋敷の縁側を歩く。
その姿を、屋敷から離れた家の屋根から、覗いている男がいた。
この男も忍装束を身にまとっている。
だが、武器は所持していない。
情報収集および伝達を専門とする間者である。
(主人に伝えねば)
そう思い、身体の向きを変えようとしたときだった。
「!?」
姿は見えないが、誰かが自分を見ているのを感じる。