これで僕はキミのもの。【ぎじプリ企画】
甘いボイスの貴方
───さて、どうしようか。
私はというと、スマホの画面を見ながら格闘中だ。
画面にはあるところに繋がる電話番号が表示されている。
〝発信〟のボタンに触れて、その旨を伝えれば私の手に入る彼。
彼はみんなの人気者。
男女問わずモテているのが彼だ。
誰もが手にしたいはずの彼。
彼に会うことを我慢して、皆頑張っている。
こんなことで彼を手に入れていいものか……
悩みに悩んで、かれこれ30分。
時間だけが刻々と過ぎていく。
「愛美ちゃん」
「え…?」
さっと目の前に現れた甘いボイスの彼。
一体どこから……
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