身代わり王妃の恋愛録
「いらっしゃいませ。何名様でしょ、うか?」
満面の笑みでお客様をお迎えした私は思わず口元を引きつらせた。
「一人だ。邪魔にならない、できるだけ静かな端の席を頼む」
「…か、かしこまりました」
迎えに来てくれると言っていたし、ここを教えたのは私だ。けど…まさか陛下が直々に迎えに来てくれるとは思わなかった。
長いコートを羽織って、フードを深くかぶっているけど、そのキラキラオーラは隠しきれてませんよ、陛下…
私は猛烈に今、そう言いたい。