① オオカミさんとクマさんに。狙われた私の…
「気のせいですって…あ、見えました、あのホテルです。
早く早くっ」
ともあれ、早くこの緊張から逃れたい。
それから目的地まで、しきりに後ろを振り返ろうとする彼の袖を捕まえ、私は小走りに歩き出した……
ああ、やっと1日が終わる。
この気詰まりから、ようやく開放される瞬間が来たのだ。
感慨も深く、この何の変哲もないビジネスホテルを見上げた。
「それでは、リーダーまた明日。ご機嫌よう…」
「ああ?何言ってんだよ、飯行くだろ?」
「イエイエ私、少々疲れたので、ご遠慮させて頂きたく…」
彼は私の腕をむんずと掴んだ。
「遠慮するな。奢ってやるから付き合え」
「え、え~‼」
ちょっと待って!私の選択権は……
「よーし、今夜は飲むぞ、やってられるか、さっさと来ぉい!」
そんなぁ……
夢は潰えた。
まあ彼のヤケクソは、半ば私のせいでもある。
普段の怜悧をかなぐり捨てて、大股に鞄を振って歩く彼。
私は、諦めてその後ろに従った。
早く早くっ」
ともあれ、早くこの緊張から逃れたい。
それから目的地まで、しきりに後ろを振り返ろうとする彼の袖を捕まえ、私は小走りに歩き出した……
ああ、やっと1日が終わる。
この気詰まりから、ようやく開放される瞬間が来たのだ。
感慨も深く、この何の変哲もないビジネスホテルを見上げた。
「それでは、リーダーまた明日。ご機嫌よう…」
「ああ?何言ってんだよ、飯行くだろ?」
「イエイエ私、少々疲れたので、ご遠慮させて頂きたく…」
彼は私の腕をむんずと掴んだ。
「遠慮するな。奢ってやるから付き合え」
「え、え~‼」
ちょっと待って!私の選択権は……
「よーし、今夜は飲むぞ、やってられるか、さっさと来ぉい!」
そんなぁ……
夢は潰えた。
まあ彼のヤケクソは、半ば私のせいでもある。
普段の怜悧をかなぐり捨てて、大股に鞄を振って歩く彼。
私は、諦めてその後ろに従った。