① オオカミさんとクマさんに。狙われた私の…
「…でね、彼ったら言ったんですよ。『だって、社会人になったら遊びたいじゃん?』って」
「そりゃあ、キツいな~」
「でしょう?2年ですよ、同棲2年。私の一番いい頃。別れ際に“時を返せっ”て、叫びましたからね~‼」
「まあ男からすれば、分からんでもないよ?…にしても、正直すぎらあな」
1時間後。
市内の個室居酒屋で、私たちはすっかり出来上がっていた。
自慢じゃないが、某南の地方都市の体育会系サークルで鍛え上げられた私は、かなりの酒豪である。
大神さんもまた、かなりイける口のようで、さっき10回目の乾杯を交わしたところである。
「俺なんかよ、秘書課の松嶋さんとよ?普通にデートに行くわけさ。…普通に飯くって、金払って、何?カクテル飲んで、ホテルだって行くわけさ」
「ああ、大神さん、どっちかって言うと、居酒屋よりはカクテルバーってイメージれすよねぇ」
呂律の危うい私は、すかさず話の腰を折る。
「馬っ鹿、俺ぁどっちかって言えば、こっち派だよ。金かかるんだよ…で、だよ」
彼は続ける。
「ホテル行って、何もせずに寝るわけさ。松嶋さんなんて堂々とシャワー浴びて、『じゃ、お休みなさい』って。
あの松嶋さんと二人っきりだぜ?
俺はソファーでまんじりともせずに夜明かし…
どうだ、なっさけないだろう」
「うわぁ、それはお気の毒。
ガーっと行っちゃえばいいんらよ。
『舐めるなよ』って」
「アホ、社長の女だぞ。
クビが飛ぶっての。
あ、他の奴らに絶対言うなよ」
「言いませんって。らいじょうぶ、見てみてっ、ホラ。お口をチャック。
情けないオオカミさんに、乾杯っ」
「そりゃあ、キツいな~」
「でしょう?2年ですよ、同棲2年。私の一番いい頃。別れ際に“時を返せっ”て、叫びましたからね~‼」
「まあ男からすれば、分からんでもないよ?…にしても、正直すぎらあな」
1時間後。
市内の個室居酒屋で、私たちはすっかり出来上がっていた。
自慢じゃないが、某南の地方都市の体育会系サークルで鍛え上げられた私は、かなりの酒豪である。
大神さんもまた、かなりイける口のようで、さっき10回目の乾杯を交わしたところである。
「俺なんかよ、秘書課の松嶋さんとよ?普通にデートに行くわけさ。…普通に飯くって、金払って、何?カクテル飲んで、ホテルだって行くわけさ」
「ああ、大神さん、どっちかって言うと、居酒屋よりはカクテルバーってイメージれすよねぇ」
呂律の危うい私は、すかさず話の腰を折る。
「馬っ鹿、俺ぁどっちかって言えば、こっち派だよ。金かかるんだよ…で、だよ」
彼は続ける。
「ホテル行って、何もせずに寝るわけさ。松嶋さんなんて堂々とシャワー浴びて、『じゃ、お休みなさい』って。
あの松嶋さんと二人っきりだぜ?
俺はソファーでまんじりともせずに夜明かし…
どうだ、なっさけないだろう」
「うわぁ、それはお気の毒。
ガーっと行っちゃえばいいんらよ。
『舐めるなよ』って」
「アホ、社長の女だぞ。
クビが飛ぶっての。
あ、他の奴らに絶対言うなよ」
「言いませんって。らいじょうぶ、見てみてっ、ホラ。お口をチャック。
情けないオオカミさんに、乾杯っ」