① オオカミさんとクマさんに。狙われた私の…
大奥様のお見舞いに。
特命
そんなこんなで灰色の日々を過ごしていたある日、私にとんでもない災厄がもたらされた。
「ええ‼出張ですか。しかも…」
大神さんと2人で1泊2日ぁ~⁉
大神さんは、フーッと深い溜め息を吐いた。
「仕方がないだろ、このシマで一番仕事してない奴、お前だし」
絶対に嫌だ。私は抵抗を試みた。
「で、でもぉ…私、出張行っても役に立たないですし…、会議なら大神さんお一人でも大して違わないってか…経費節減にもなる……」
「黙れ新人。
こっちにはこっちの都合があんだよ。1週間後に伊豆だ。さっさと手配してこい!」
「は、はいぃ~」
…敢えなく敗れた。
走り出した私に、水野女史が眼鏡を光らせて囁いた。
「赤野さん、…気をつけなさい」
「?」
どう返したら良いものか分からず、ペコリと頭を下げる。
ちなみに水野女史は、いわゆる『お局様』ではない。独自の世界観に浸かっている実に人畜無害な女性であり、その点ではラッキーであった。
…そしてその時。
金券ショップに向けて走り出した私を、熊野主任が心配そうに見ていたことなど、知るよしもなかった。
「ええ‼出張ですか。しかも…」
大神さんと2人で1泊2日ぁ~⁉
大神さんは、フーッと深い溜め息を吐いた。
「仕方がないだろ、このシマで一番仕事してない奴、お前だし」
絶対に嫌だ。私は抵抗を試みた。
「で、でもぉ…私、出張行っても役に立たないですし…、会議なら大神さんお一人でも大して違わないってか…経費節減にもなる……」
「黙れ新人。
こっちにはこっちの都合があんだよ。1週間後に伊豆だ。さっさと手配してこい!」
「は、はいぃ~」
…敢えなく敗れた。
走り出した私に、水野女史が眼鏡を光らせて囁いた。
「赤野さん、…気をつけなさい」
「?」
どう返したら良いものか分からず、ペコリと頭を下げる。
ちなみに水野女史は、いわゆる『お局様』ではない。独自の世界観に浸かっている実に人畜無害な女性であり、その点ではラッキーであった。
…そしてその時。
金券ショップに向けて走り出した私を、熊野主任が心配そうに見ていたことなど、知るよしもなかった。