① オオカミさんとクマさんに。狙われた私の…
出張当日ーー
新幹線の指定席。
「お茶~、コーヒー、お弁当など…」
「わあ、大神さん、お弁当売ってますよ、どうします?」
私は、はっきり言って田舎者である。新幹線など久しく乗らないものだから、すっかり舞い上がっていた。
「ばか、遠足じゃないんだ」
「……」
…そう、旅行の相手は大神リーダー。
にべもない返事の後、彼は再びモバイルパソコンに向かう。
…いいもん。自分の分だけ買ってやるから。
「お姉さんお弁当1つ…」
「2つ」
…何よ、自分も欲しいんじゃない。
「何だよ」
「別に」
お弁当を2つ受け取って、1つを彼に差し出す。
彼はさっと千円2枚を出して会計し、添乗員へのスマイルも忘れない。
…ホント、外面だけは完璧なんだよねぇ。
「あの、お会計…」
「ああ、要らない。それよりも…」
渡そうとした千円札を断ると、彼はパタンとパソコンを閉じた。
「これからの予定を説明する」
ご飯のお礼を言う暇も与えず、小さいお辞儀も見るか見ないかのうちに、彼は説明を始めた。
新幹線の指定席。
「お茶~、コーヒー、お弁当など…」
「わあ、大神さん、お弁当売ってますよ、どうします?」
私は、はっきり言って田舎者である。新幹線など久しく乗らないものだから、すっかり舞い上がっていた。
「ばか、遠足じゃないんだ」
「……」
…そう、旅行の相手は大神リーダー。
にべもない返事の後、彼は再びモバイルパソコンに向かう。
…いいもん。自分の分だけ買ってやるから。
「お姉さんお弁当1つ…」
「2つ」
…何よ、自分も欲しいんじゃない。
「何だよ」
「別に」
お弁当を2つ受け取って、1つを彼に差し出す。
彼はさっと千円2枚を出して会計し、添乗員へのスマイルも忘れない。
…ホント、外面だけは完璧なんだよねぇ。
「あの、お会計…」
「ああ、要らない。それよりも…」
渡そうとした千円札を断ると、彼はパタンとパソコンを閉じた。
「これからの予定を説明する」
ご飯のお礼を言う暇も与えず、小さいお辞儀も見るか見ないかのうちに、彼は説明を始めた。