【完】最初は、それだけだったのに。
* * *
今は2クラス合同でやる体育の時間。
普通なら男女別々なのだが、今日は男子の方の先生が出張でいないため、体育館を二つに仕切って男子はバスケ、女子はバレーのゲームをやっている。
人数が多いため、私はコート外で絵麻と待機中だ。
「きゃああああ!!時雨くんかっこいいぃ〜!!!」
「青山くん頑張ってぇ〜!!」
黄色い声が体育館中に響く。
叫ばれている主を見ると、コート内でプレーしている彼がいた。
「うるさいなー。ちょっとは黙れないのかね。」
嫌そうな顔をして毒づく絵麻をまあまあと抑える。
「でも今日、なんか頑張ってるね。やっぱりイケメンは目の保養になるね〜!!」
くぅ〜!とメンクイハンターの目が輝く。
「そうなの?いつもが分からないからどうとも言えないけど。…でもかっこいいなあ。」
ポロリと出た本音は絵麻に聞こえていたらしくニヤニヤしてくる。