【完】最初は、それだけだったのに。
「あ、今のは失言…!ニヤニヤしないで!!」
「文ちゃんなんだってぇ?誰のことを見て言ったのかなあ?」
「う、うるさい!忘れて!!」
しまった…!
今のは普通に出ちゃった…。
あああ、恥ずかしい!!!
「文香!!危ない!!」
いきなり焦った声で呼ばれ、そちらの方を見ると、すごい勢いでバレーボールが飛んできた。
「うわっ…!」
考える暇もなく、そのボールは私の頭を直撃した。
隣から絵麻の焦った声が聞こえる。
他からも声が聞こえるが、よく分からなかった。
すると周りの声が少し大きくなり、誰かが近づいてくるとそのまま私持ち上げられた。
また声が大きくなる。
あ、あったかい…。
そこで私の意識は途絶えた。