【完】最初は、それだけだったのに。
気になる君。
学校の前の並木道は枯れ葉で埋め尽くされてる。
少し寒気を感じ始めてもうこんな時期か、と実感した。
そんな高校2年の冬。
「もういいわ〜!…って、文香聞いてる?」
「あっ、ごめん絵麻。何の話だっけ?」
「もー。この雑誌の男の子!かっこいいよねって話!」
「あっ、そうだった!うん、かっこいいよね!」
今話している双原絵麻(ふたはらえま)は高校に入ってから出来た友達。
長い黒髪はいつも下ろしていて、身長は170cm近くあり、大和撫子のような顔立ち。
見た目からよくクールとか言われてるけど、実は結構なメンクイ。
付き合いやすい性格だから休み時間はいつも今みたいに話している。