【完】最初は、それだけだったのに。
えっ、待って。
バレーボールで頭を打って気絶したのはわかる。
けど、なんで青山くんがここにいるの…?!
「えっと、私どれくらい寝てた…?」
思ってもいない質問をした自分にバカかとつっこむ。
質問したいのはこんなことじゃなくて…!
「うーんと、2時間くらいだと思う。今、先生が出張で出てるから俺が代わりに。」
2時間も寝てたのか…。
…って、今青山くん結構な爆弾発言したよね?
「もしかして2時間ずっとここに…?」
「ああ。そうだけど。」
それがどうかした、とでも言いたいような顔でこちらをのぞき込む。
ということは…
「寝顔見られた…?!」
思わず本音が出る。
「ああ。見た。気持ちよさそうだったな。」
にっ、と口角をあげ笑う彼に目を奪われる。
ドキッ
胸の奥からこみ上げる熱いものを必死に抑え込む。