【完】最初は、それだけだったのに。


「い、いったい…!!」


「それ、俺以外に言うなよ。」


「?それ?」


「市岡、前髪上がってるからやりやすいな。面白い。」




おでこを両手で押さえながら、時雨くんと会話をする。


…なんかひとつスルーされた気がする。




「時雨くん酷いよ!結構痛いし…」


「ごめんって。そんな怒んなよ、ちょっと見せて。」




私は時雨くんの言うがまま、手を外す。


絶対赤くなってるよこれ…。




「あっ、赤くなってる。」


「やっぱり…!」




その瞬間、後頭部を掴まれ時雨くんの方に引き寄せられる。


チュッ



「?!??????!!」


「顔芸しないで、ちゃんと日本語話せよ。…文香可愛すぎ。」










…時雨くんにキスされた場所と顔の色が同じになったのは言うまでもない。


END



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