【完】最初は、それだけだったのに。
そんな彼を女子が放っておく訳がない。
最初の頃は彼の周りには女子が絶えなかったのだが、音楽を聞いているのかオール無視。
誰かがイヤホンを外して無理矢理話したことがあるらしいが、その時思いっきり睨まれて無言でイヤホンを奪われたと聞いた。
その噂が流れてから見に来る女子は減ったが、勇気ある女子が来て話しかけているのをたまに見る。
だが例に漏れずオール無視。
来た子たちはあえなく自分のクラスに帰っていく。
その姿を見て私は彼に興味がわいた。
可愛い子がたくさん話しかけている中、なぜオール無視をするのか。
女嫌いか、はたまたそこまでして見たい何かが外にあるのか。
そんな疑問を感じた日から私は彼を観察するようになったのだった。