【完】最初は、それだけだったのに。
* * *
今日最後の授業が終わり、HRが始まった。
先生の話をボーッと聞いている。
「えーっとね、今日俺この後外せない用事があってね。誰か雑用を頼まれてくれない?」
シーン
誰も手を上げず、皆先生から目をそらす。
まぁ、そんなことやりたくないよね。
別に帰ってから用事があるわけでもないけど、私もやりたくない。
早く家に帰ってゴロゴロしたい。
「…っていないか。じゃあ男女の出席番号が1番のやつを生贄にしてやろ〜っと!」
ハイテンションで言い放った先生の言葉に教室がざわつく。
えっ、出席番号1番って…!
「よし、青山と市岡。頼んだぞ!終わったら職員室来てねー。」
えー?!
何それ?!酷い!ありえない!なんて理不尽!!
名簿を閉じてHRを締めようとしている先生に心の中で訴えていると、声がかかった。